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教頭先生だった生駒さんも、授業をちょっとだけ受け持ってましたからね。
ちなみに体育です、体育の先生です。
なので、学問と言ったら保健の授業になるのかしら。
それでも受け持っていただきましたんで、私が生駒さんの教え子であることに間違いはなーい。
保健のテストより体育の実技の方が点数高かったのは認めます。
「その知識をジュニオン王国にだけもたらすのは、不公平ではあるまいか」
エミリオン皇子から生駒さんのことを聞いた皇帝陛下が、突然不公平発言。
ほうほうそういうことかと納得。
こちらを上げ下げしてたのは、この茶番に繋げるためだったか。
ストレートに異世界知識プリーズって言えないから、生駒さんは学に秀でている、そんな知恵者の生駒さんにジュニオン王国贔屓はするなという態で要求したと。
さすが帝国の皇帝でリース様のお父上、情けないだけの人じゃなかった。
確かに明日、ジュニオン王国のお迎えが来る予定ですもんね。
あちらの王弟殿下、生駒さんに来てもらいたくてうずうずしているので、きっとご自身で迎えに来られることでしょう。
生駒さんの知識で自国の軍が強化されると信じているがゆえですが、生駒さんが授けるのは何度も言っておりますが小学校体育の域を出ないと思う。
だから、当然のことながら皇帝陛下の言葉に生駒さんはこう答えるわけです。
「大した知識ではありませんので、こちらでお話してもかまいませんよ」
教えるのはラジオ体操でいいかねえと私に尋ねる生駒さん。
え、ジュニオン王国でも広めてくるんだろうなとは思っていたけれど、ユーザニアにもラジオ体操第1と第2が取り入れられるの。
ユーザニア総国民健康計画じゃまいか。
毎朝国民はラジオ体操をすることを義務付けられたらどうしよう。
かといって、跳び箱も鉄棒もマット運動もないでしょうよ、この世界。
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