3人が本棚に入れています
本棚に追加
気分転換
もう本当に勘弁してくれ。
そう叫びたい衝動に駆られて、私は持っていたペンを投げだして椅子の背もたれに体を預けた。
毎日毎日勉強勉強。今は冬休みだし学校は無いとはいえ、塾でも家でも勉強勉強勉強……。
受験生なんだし、それがおかしなことではないと分かってはいる。べつに強要されているわけでもなく、ただ私が行きたい大学に進学するためだとも分かっている。
だけど、周りの友人たちはどんどん合格を勝ち取っている。今頃、気楽な冬休みを過ごしているのだろう。私に気を遣ってか、あまり楽しんでいる様子は見せてくれないけれど。
はぁ~~、と大きく長いため息を吐きだした。
家族はみんな寝ている中、私だけ夜更かしをして勉強をしている。今何時だろうとスマホを見れば、朝の4時を回っていた。
「うっそ……」
3時には寝ようと思っていたのに。
私は2度目のため息を吐きだした。
もう寝ようか。それともキリがいいところまで進めてしまうか。いっそすべてを諦めてゲームでもするか……。
うん、完全に集中力が切れたな。
私は背もたれに体重を預けるようにして伸びをした。
「おっと……」
危うく椅子が倒れそうになって戻ってきたところで、スマホの通知音が聞こえた。
こんな時間にいったいなんだよ。
そう思いながらスマホを確認すると、メッセージの通知が入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!