気分転換

1/6
前へ
/6ページ
次へ

気分転換

もう本当に勘弁してくれ。 そう叫びたい衝動に駆られて、私は持っていたペンを投げだして椅子の背もたれに体を預けた。 毎日毎日勉強勉強。今は冬休みだし学校は無いとはいえ、塾でも家でも勉強勉強勉強……。 受験生なんだし、それがおかしなことではないと分かってはいる。べつに強要されているわけでもなく、ただ私が行きたい大学に進学するためだとも分かっている。 だけど、周りの友人たちはどんどん合格を勝ち取っている。今頃、気楽な冬休みを過ごしているのだろう。私に気を遣ってか、あまり楽しんでいる様子は見せてくれないけれど。 はぁ~~、と大きく長いため息を吐きだした。 家族はみんな寝ている中、私だけ夜更かしをして勉強をしている。今何時だろうとスマホを見れば、朝の4時を回っていた。 「うっそ……」 3時には寝ようと思っていたのに。 私は2度目のため息を吐きだした。 もう寝ようか。それともキリがいいところまで進めてしまうか。いっそすべてを諦めてゲームでもするか……。 うん、完全に集中力が切れたな。 私は背もたれに体重を預けるようにして伸びをした。 「おっと……」 危うく椅子が倒れそうになって戻ってきたところで、スマホの通知音が聞こえた。 こんな時間にいったいなんだよ。 そう思いながらスマホを確認すると、メッセージの通知が入っていた。

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加