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【佳作】◆七瀬コタさま『記憶を、記録に。』◆
https://estar.jp/novels/26266039
「飄々とした文体が魅力的なエッセイ。シリアスなのにユーモア漂う」
一日目、二日目と深刻な、ふつうに考えて辛い体験が語られます。
一日目は小学校、中学校で二回受けたイジメ。無視というイジメ。でも、七瀬さまには理由が分からない。お昼のグループ分けで一人になるのは辛く、屋上への階段の最上階でお昼を食べた思い出……。これだけ書くととても辛い暗いお話のように感じます、いや、実際に辛かったでしょう。でも、どこか文章が飄々としているんですよね。不思議です。イジメられても、「自分がいなければ絶対悪口大会になる」と学校を絶対休まなかった、そういうお人柄。何か親しみを覚えてしまいます。
二日目。「宇宙人だよ4月3日」。義父母と旦那さんを敵に回しての日々。3体1の日々。ところが、これも辛い日々であったろうと思われるのですが、文章はさらにテンション高めにとばし始めます。乱れ飛ぶ比喩が痛快すぎて、ついクスっと笑ってしまう。「宇宙人」だと思えば気が楽だという人生訓には共感する方も多いでしょう。
「夢と希望の12月14日」。もうここに来ると、あまりに軽快な文章や娘さんとのクモ退治の展開に大きく笑ってしまいます。
とにかく読んで、七瀬コタさんの世界を堪能してくださいませ。
ありがとうございました!
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