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「…………ぃぉり。」
いろんなことを
悶々と考えていたら
裟柄がぽつり、と
俺の名前を呟いた。
「なに?」
裟柄は俺に背を向けた。
綺麗な黒髪はサラサラしてた。
「…………泣きたぃ」
肩が少し震えてた。
声がいつもより小さくて。
いつもの
裟柄じゃない気がした。
「泣きなよ」
「……………」
裟柄は声を殺して泣いていた。
少し胸が痛かった。
遥のために
裟柄が泣いてる。
それだけ
遥への想いが強かったんだな……
って実感した。
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