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自宅に辿り着くと私はすぐに彼を浴室へと案内し、血濡れの服を洗濯機に入れる。
幸い両親は共働きでどちらも夕方まで帰って来ない為、まだ午前中なので時間に余裕はあった。
十数分程して彼が浴室から出てくると、私はとりあえず父の服を貸し、詳しく話を聞いてみることにした。
しかしそれに対し彼は、少し困ったように頭をポリポリと掻きながら椅子に座る。
「言っても信じられないと思うが……実は俺、不死身なんだ」
「……」
どうして信じられないと思ったのか……あの光景を見る前なら当然信じられなかっただろうが、どうしてもあの壮絶な光景の後では信じざるを得ない。
一先ず、彼が不死身なのはわかった。
しかし、他にも聞きたいことは沢山ある。
それなのに彼は、何処か気怠げだった。
「まー……風呂借りた恩があるから聞かれたことには答えるが、あんま驚き過ぎるなよ?」
そう言って始めた彼の話は、まるで漫画のように現実離れの連続だった。
先ず最初に聞いた、彼の名前は"太郎"というらしい。
今時、逆に珍しい名前なんて思ったが、それにもちゃんとした理由があった。

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