10人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~もう忌々しいッ!!!!」
あの後。
きさらは部屋にあるクッションにひたすら怒りをぶちまけていた。
「おーお、激しいこった。」
「誰のせいだとおもってんのよ!!!」
ボフッ
「ぶふッ!!!!」
思い切りクッションを投げつけられ、聖夜は奇声を発した。
「だいたいなんで私なのよッ!?」
きさらは声を荒げて聞く。
「わォ、ヒステリック。」
「真面目に答えろッ!!!!」
もはや言葉遣いが危うい。
「…教えてあげよっか?
俺との契約を破棄する方法。」
聖夜は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
「何よ…?」
「一つは、まぁ前に話したとおり、きさらが死ぬこと。
もう一つは、俺を本気で愛すること。」
「…ハッ、馬鹿馬鹿しい。
そんなありきたりな話、信じる訳無いじゃない。」
聖夜を馬鹿にするように、嘲笑う。
「や~、これがホントなんだな。
なんなら吸血鬼の掟、見てみる?」
ぱっ、と何処からともなく分厚い一冊の本が聖夜の手に現れた。
「…どっから出したたのよ。」
「ま、細かい事は気にしなぁい。
っと、ここだ。
ほれ、見てみ?」
ペラペラとページをめくっていた手を止めて、聖夜はきさらの方へ本を向け、その中の一行を指差した。
「…契約主が恋愛感情を抱いた場合、契約は破棄される。
…嘘ォォオ!!!?「じゃないよ。これで解ったっしょ?」…ッ!!!!(こんなやつ、好きになれる訳無いじゃない!)」
.
最初のコメントを投稿しよう!