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本棚に追加「なんで貴方はいつもこうなのよ!」
こんなつもりじゃなかった。
こんな事言いたいわけじゃなかった。
でも、口にしてしまった言葉はもう、元には戻せない。
目の前には、悲しそうな顔をする彼。
「ごめん」
ボソリと出てきたのは、今にも泣きそうな謝罪の言葉。
違う、彼は悪くない。悪いのは私。なのに、ずるい私は、ここで素直に謝ることすらできない。
「もういい!」
リビングを飛び出して、2人の趣味の部屋としている小さな部屋へ駆け込むと、そのまま扉にもたれ掛かって体育座りをしながら、メソメソと泣き始めた。
私にその資格なんてないのに。さも被害者のように振る舞う。
やがて、のそのそとした足取りが聴こえてくると、そっと部屋の前で止まった。きっと彼だろう。
鍵なんてないから、入ってこようと思えばできるけど、それはせず、ただ部屋の前に立っているだけ。
なんと声をかけるべきか迷っているのか、自ら出てくるのを待っているのか。
どちらにせよ、顔を見せたら彼はきっとこう言うのだ。
『ごめんよ。僕が悪かった。君の気持ちを考えてなかった』
でも、そんなはずはない。彼はきっと私が喜ぶと思って、誕生日のケーキを買ってきたのだ。私が前に食べたいと言っていた、遠くのお店のケーキを。朝早くに車をだして、ようやく昼過ぎに帰って。
でも、私はそうじゃなかった。ケーキよりも、彼と一緒にいる時間が欲しかった。
仕事でなかなか会えない彼と、少しでも長く一緒にいたかった。
彼といられたら、ケーキなんてどうでも良かった。
それを、『私の気持ちを理解してない!』と一刀両断するのは人としてどうなのか。
しかも、怒りまくって部屋に引きこもりなど、とても社会人とは思えない行動だ。
すでに頭の中では、もうどうすべきか分かっている。今すぐ部屋を出て、彼に謝るしかない。
許してくれるか分からないけど、謝るしかない。
でも、ズルい私にはそれができない。
謝るという、たったそれだけの事が出来ない私は、彼が再び謝ってくるのを待ってしまっている。
ーーなんで、私はこうなんだろう。
思えば昔からこうだった。何かあれば自分は悪くない。アイツが悪いの繰り返し。
そんな性格が災いして孤独だった私と一緒にいてくれる彼は、聖人君子に違いない。
私は結局、優しい彼に甘え続けている。

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