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好きは閉じ込めて
「わあー!迅くん!みて!ゆきー!」
今日もしっかり働き終えて外に出てみれば空は真っ暗だけれど辺り一面はまっしろになっていた。
声を出せば白い息がふわっとなって自然と頬が緩む。
小さい頃はこの白い息が出るのがうれしくって
たくさん、はあってしたなあ。
上を見上げれば、大きなふわふわした雪が容赦なくわたしの顔に降り注ぐから、いつものように目をぱっちり開けられないけれど、冷たくて気持ちがいい。
「うーわ、最悪。積もってんじゃん。せんぱいさ、よくこれではしゃげるね。寒くね?」
わたしの後ろにいる彼はわたしと真逆のひっくいテンションで寒そうに両腕をすりすりと摩っている。
「ぜんっぜん、寒くない!さっきまで暑かったから」
「ふーん、元気だねせんぱい。あー、さみい」
そう言って迅くんは自分の首に巻いているマフラーにすっぽり顔を埋めて顔をほとんど隠している。
迅くんがつけているマフラーはグレー色でふわふわとしていて高そうなやつ。
いいなあ〜、わたしそのマフラーになりたい。
そんな意味のわからないことを考えてしまうほどわたしの頭の中は彼でいっぱいだ。

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