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藍村はただセックスするだけでなく、普通に2人で過ごそうとする時間も家で作ろうとしてくれる。
それはセフレに対しての気遣いなのかは分からないが、私はなるべく藍村の家に滞在する時間を短くしようとしていた。
あくまで私たちはセフレだし、必要以上に距離を詰める必要はないと思う。
それなのに藍村はやけにそういう所まで気遣ってくれた。
藍村はモテるだろうし私以外にもセフレなんてたくさんいるだろう。
そんな子たちにも同じように気遣っているとしたらかなり器用だ。
「で、ナンパされてる時なんですぐ断らなかったの?」
「まだその話終わってなかったんだ」
「終わってないね。鈴宮から返事聞いてないし」
「ちゃんと断ったよ。待ち合わせしてるって言った」
「鈴宮さ、自分が可愛いってこともっと自覚した方がいいよ」
随分真剣な顔でそんなことを言われると他意はなかったとしてもドキッと照れてしまう。
これだけ整った顔立ちのイケメンにそう言われれば誰だって胸が高鳴るはずだ。
シャンパンを片手にまるで口説くように甘いセリフを吐かれ脳髄がどんどん痺れていく。
淫らに身体を重ねる時に囁くようにじわじわと囲い込むような言葉に思考が乱された。
「鈴宮ってほんと自覚ないんだな。モテるなって思ったことない?」
「え、あんまり気にしたことなかったかな」
「そういうとこなんだよなほんと⋯⋯うちの会社でも鈴宮モテてるよ。何人も告白しようとしてるやついたし」
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