プロローグ ~私がここにいる理由~

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私はこの極東の地にある目的の為に来ている。 一つは過去、幾人もの魔術師が挑み今だ誰一人として解決出来ていない問題…それは吸血種に血を吸われ、等しく吸血鬼となってしまった元人間を人間に戻す研究だ。 もう一つは不死を求め『現象』となった死徒――タタリ――を終らせる事だ。 前者はいくつかの方面での心強い協力者は得られた。あとは時間さえあれば研究を完成させられるはずだ。 後者は秘策があるが、果たして勝てるのだろうか?今からでも誰か協力者を探すべきではないか?いや、それ以前に『勝てた』としても今の装備で完全に『消滅』させる事は可能なのか?私に残された時間だってあまり多くは…… 駄目だ、考えが後ろ向きになってきている。 ―四番停止― 冷静に冷静に… ―六番停止― 自分の思考を止めないと。 カット!カット!カット! 「ふぅ…」 『タタリ』が発生するまであと数分。無駄な事を考えている時間的余裕はない。そもそもタタリは私の『不安』さえも具現化するのだから…。 場所はここ三咲町。しかし正確な位置までは解っていない。たが逃がす気は全くない。 この極東の地、日本があなたの最後の舞台だ!
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