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その異例の事態に皆は驚き、何より、男児を産んだ楓自身が驚いたらしい。
そうして、ようやく産まれた男児は、皆に愛され、すくすく育つ。
けれども、既に“後継ぎは女”であることが定着してしまっていた二条家では、今さら産まれた男児に継承権をうつすことを良しとせず、次に産まれた女児に継承権を与えることとして機会をまつこととなった。
それから数年が経ち、楓は2人目の子を身籠るも、それもまた男。
ならば、次こそは産まれるまい。と考えられた男児は難産。
結果的には、母親である楓の命を犠牲として産まれることとなった。
そんなこんなで二条家では、前当主の息子である、長男、静と次男、神楽が2人。
後継ぎとなるべき女児がいない。
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