第八章 扉の鍵

14/30
前へ
/443ページ
次へ
「初めて、あの屋敷に行った時は忘れないわ。 皆、私のこと変な目で嘗め回していたもの」と彼女が苦笑しながら言っていたのを、千夏も覚えている。  それほど、予想のできない嫁であった彼女だが、それも暫くのこと。  持ち前の明るさや人当たりの良さで彼女は難なく二条家に馴染み、気付けば、当たり前のように次期当主の座を手に入れていたらしい。  まぁ、本人はそのことを、それほど望んでないようだが。
/443ページ

最初のコメントを投稿しよう!

321人が本棚に入れています
本棚に追加