第八章 扉の鍵

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 その言葉にまた首を振る。凛とした表情をこちらに向けると、彼女は口を開いた。 「あのね、千夏。 こんないい方、ないと思うだろうけど、私はね、あのこが傷付くのが怖いんじゃないわ。 そりゃあ、ケガはないにこしたことないでしょうけど……そんなこと心配しても意味ないわ」 「じゃあ、何?」 「千夏……貴方は神楽に会って、話を聞いて、それからどうするの? 神楽が何も知らなかったら、それで終わり? 千夏、貴方、あのこが死んでおかしくなってるんじゃないの?」 「そんなことないわっ!」
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