第八章 扉の鍵

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「貴方がしているのは、ただの探偵ごっこよ。 捜査しているつもりになって、妹の不幸に悲しむ姉を演じているだけ。 要は、自分は他人と同じ……悲しい時には泣いて、憎しみも愛情もある、普通の人間なんだって、安心していたいだけなのよ」 「私はっ」 「違う? 違うなら言ってみて。 あのこはどんなふうに死んだの? 凶器は? 死因は? 死亡推定時刻は? ねぇ、その時のこと、思い出して私にきちんと話せる? 話せないでしょう?」
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