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世界の終わり
もんもんとして朝がきた。サキは寝不足で頭が痛かった。
「おはよー、サキ。」
「おはよう。」
夏美が朝からテンション高く話し掛けてくるのが1日のスタートだ。
「あのね、山田と教室入る時めが合ったの。」
うれしそうに話し始めた。
「山田って好きな人いるのかな、美香って山田となかいいよね、好きなのかなー」
途中半分は聞いてなかった。いや、寝不足のサキには聞こえなかった。
「協力するよ。」
「ありがとう。」
1時間目の国語は自習だった。クラスで気持ちわるがられている広美がとうとう登校拒否を始めたらしく、国語の担当教師が広美の家に行っているらしかった。
自習の時間、サキは外を見ながら考え事をした。
なんでLevel1の女の子は好きな人の話が生き甲斐なんだろう。もっと崇高な話しができないのかな。つまらない。
サキだってたいした話をできる訳ではなかったが、外の緑をうっとり見つめ、ため息をついた。
目を落としたノートは急いで鞄に入れたために端が折り曲がっている。
益々やる気が失せるなと言い訳を考えながらぼんやりしていた。
なんだか今の自分の置かれた環境がとてつもなく退屈なもののように感じた。
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