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給食を食べたあと、いつものように愛読している手塚治虫の漫画を持って屋上に上がった。
ドアをあけると、渦巻きのようなすがすがしい風がサキの体にぶつかり、通り過ぎていく。
いつもの美術室の入舎光を囲う階段の2だんめに腰かけ、ブラックジャックの8巻を読みはじめた。
サキにとってブラックジャックはヒーローであり、自分だ。
1人で社会と戦い、たぐいみれなる才能を持ち合わせている。
きっと自分にも何かとんでもない力がある。
そう信じた勇者はブラックジャックをすいすいと読みすすめた。
すると口笛が聞こえてきた。
聞いたことがある。
胸がドキドキする。
そう、それは昨日のMステで聞いた、サキの胸にネジなのにトンカチで無理矢理うちこまれたかのように刺さったロックの曲だった
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