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放課後、帰宅部のサキは部活生がいなくなった誰もいない教室を鼻歌まじりにでようとした。
「忘れもの、忘れもの、」
ユニフォーム姿の山田だ。
靴下で廊下を走ってきたのだろう。気がつかなかった。
山田はこちらをみた。
鼻歌が聞かれたのか?
サキ今にもとびたしてきそうな心臓の音をききながら、
「部活始まってないの?」
どうでもいい質問をして、なんとかやり過ごそうとした。
「もうとっくにはじまってるよ。」
そりゃそーだ。
見たらわかる。
「お前さ、ミッシェル好きなの?」
「え?ミッシェル?」
「いやさ、さっきの鼻歌。。。」
「山田の口笛、、、」
「やっぱりしらねーよなー。わりぃ わりぃ。」
山田が照れわらいしながら教室を出ようとした。まずい、なんかこのままだと夜眠れなくなる位後悔しそうだ。
「CD!貸して。」
「え?ミッシェル??」
「昨日、Mステ。」
外人か!と思う位片言だが、自分では信じられない言葉が次々と飛び出していた。
ドキドキしながらまえのめりになるサキを見て、山田は
「いいよ。お前おもしれーな。」
と笑った。
「お願いね。」
サキは言い放つと急ぎ足で教室をでた。
どうやって家に着いたらわからない。
ドキドキして胸がいたい。
やっぱり夜はあまり眠れなかった。
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