世界の終わり

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サキは端が折れたノートに十字架を描いてみた。 ちょっと中世ヨーロッパっぽくていいなと思った。 別にキリスト教とか特に宗教は関心がなかったが、ただそれをこのノートに描く事が少し背徳的で刺激的だった。 この十字架をトレードマークにしようと決めた。 「サキー、トイレ行こう!」 手鏡を持った麗と夏美が誘ってきた。 もう1時間目が終わったんだ、、、 毎時間トイレででかい鏡と手鏡で自分の顔と前髪を交互にみるだけの作業ははっきり言ってウンザリしていたので、突然顔を伏せて、寝たふりをした。 「サキ寝ちゃったよ、行こう、行こう、でさ、山田がね、、、」 話しながら行ってしまった。淡泊で深読みしない夏美が時々羨ましく思う時がある ぐったりしながら外をみていると、 「おい、村木、ちょっといいか?」 びっくりして起きてみると、そこには山田がいた。
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