偉大なるサキ

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今は6時というのにまだ昼のように明るい。 そうか、夏が近いんだな。 サキは中学2年生。 これといって特技もなく、これといって好きなもの、趣味もない。 ただ淡々と休日に朝早く起きなくてもいいことだけが楽しみに生きている。 サキは帰宅部だ。 元々はみんなが入ると言っていたので、ただなんとなく部活には入ろうとは思っていた。 しかし小学生のころからの仲良しグループってやつが絶対にバド部はいろうね!と口を合わせてきたため、サキは面倒に感じてしまった。 女子は何かと一緒を好むが、小さなナショナリズムが出来上がるのがサキはどうも嫌だった。 リーダー中心に、組織は親友と言う名の憲法で固められるのだ。 定期的にでる不信任案、悪口。 サキにはそれがとてつもなく面倒なことに感じられた。 あたし、いいや、家の手伝いとかあるし、ほら、うちお母さん学校の先生じゃん?忙しいんだよね? 慣れて時間ができたら絶対入るね。 それからかれこれ1年はたつのだ。
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