偉大なるサキ

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サキは何となく流行っていたからかったセサミストリートのキーホルダーのついた家の鍵を取りだし、電気のついていないうちのなかに入った。 もう薄ぐらい。 夕方か。。。 鞄を階段の下から2番目にどかっと置き、ほぼゲームしかしないケータイを取りだし、特に誰からも連絡がきていないのを確認し、ソファーにほった。 父は単身赴任。時々でかい口をたたきながらうちに帰ってくるが、飲み屋のママど出来ているらしい。 母は忙しく、毎日いらいらしている。 たまに頼んでもないことをしてくれるが、後から恩着せがましく八つ当たる。真面目人間だ。 家族が帰ってくるまで、そうサキは王様になる。 1人になるとどんな人間にでもなれる クラス1カッコイイ男の子と秘密で付き合っているつもりになったり、 自殺をしたい、心が押し潰されそうになってみたり、時には才能のある歌手にもなった。 思春期の女の子は偉大な世界をもっている
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