偉大なるサキ

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昨日買っておいたカラムーチョを食べながらテレビをつけた。 サキはルパン三世の再放送を見ていたが、ルパンの単調なストーリー展開に飽きていた。 知らぬ間に隣に転がっていたベルセルクの27巻を読んでいた。 マンガをよむとなぜか自分がすごい奴にやった気になる。 サキは両親から サキはきっと出来るこ と言われながらそだってきた。 お父さんの子だから出来るこに決まってる! やれば出来る。 そう。出来る子だから何もしなくてよいのだ。 自分は特別な存在のような気がしていた。 マンガをよむと益々その気持ちが高まる。 サキはサキの城で、時がくるまで選ばれし者はいつまでもくすぶっていた。 もどかしい気持ちとともに。
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