勇者LEVEL3

4/5
前へ
/52ページ
次へ
教室に入ると、クラスではほどほど話す、夏美と麗が昨日のテレビ番組の話をしていた。 「サキ、おはよう。昨日のMステみた?」 どうやら昨日の音楽番組の話をしているらしい。 「昨日ジュニアの加藤くんがでてたの!超カッコイイ!みた?」 ジャニーズの歌手の後ろで踊っているマイナーで顔すらろくに映らない男の子の話をしているのだ。なぜ有名所でなくあえてそこを好むのかサキにはよくわからなかったが、 「あー、ちょっとわかんなかったなぁ。カッコイイの?今度よくみてみる。でるとき教えてよ」 適当に返した。 「えー、これ以上ファンが増えても困るなー。超カッコイイもん。」 もうどうでもよかった。 同年代といると疲れる。回りがとても子供にみえた。きっと回りはLevel1でサキはLevel3なんだろう。だからこんな違和感があるのだ。 そう話にうまく乗れない自分を正当化しているのだった。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加