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本棚に追加高校生活にも少し慣れてきたくらいにある1年生の研修合宿。他のクラスとも仲良くなるために2クラスが一緒となり5人か7人の合宿グループを作る。
おれたち5組は8組と一緒だ。
「悪夢だ。これは悪夢だ…予感してたけど、違うっ、これは俺の求めてた合宿じゃ」
「見て見て大地。蟻がおっきいよ」
出発前から大地はこんな調子で、おれが話し掛けても何だか忙しそう。独り言になってしまったおれの言葉は山の入口に吸い込まれていった。
合宿はこのどこを見てみても緑色がいっぱいの山の中で行われるらしい。
「ちょっと来いっ」
落ちていた木の枝で見たこともない大きな蟻を突っついていると急に大地が腕を引き上げ、少し集団から離れた所におれを連れて行く。
「なに?どうしたの?」
おれと同じように目の前にしゃがみ込む大地がすぐ側の葉っぱにも聞こえないような声で話しだす。
「ひなっ、お前は…!…百歩、いや一万歩…一兆歩譲って新田圭哉が同じグループなのは諦める…無理だけど、でもさ!あの8組の伊吹と麻倉はどうした!?このグループだけ異様というかっ、男だけっつうか!半分以上を不良で形成されている!見ろ俺らのグループを見る教師達のあの目を!」
グイッと無理に首を横に向けられた。けど目に入ってきたのはチカチカ、キラキラした色を浮かべている生徒たち。先生はそんなフワフワなみんなをまとめるのに大変そうだ。
「ここにいたら先生困るよ?戻ろ?」
「そうだな」
迎えよとした声はびっくりするくらい落ち着いた低い声で、上の方から聞こえて来た。「えっ」と反応する前におれの二の腕が上の方に引っ張られる。しっかり立ち上がると彼がおれの腕を掴んでいた。
「岡崎が並べって」
「あ、うん。ほら大地行こ?」
「…不良なのに、真面目なんですね…?」
大地が立ち上がった。瞳が揺れている。これは何という表情だろ?と考えていると彼がおれの手を離して、歩き出してしまう。
「お前がリーダーだろ?真面目にしろ」
目線も向けないまま言葉をでこぼこの地面に捨てる。大地は背中を向ける彼に子どもみたいな反抗心を態度で全面に出し過ぎている。
「…リーダー格好いいよ?」
「……最悪だ」
重そうな足で歩く大地が振り向いてくれる笑ってくれるような言葉は一個も思いつかなかった。

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