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招待されたパーティーの会場で、なつかしい顔をみつけた。
「ひさしぶりに会ってもかっこいいね、三嶋くん」
美穂の囁く声にドキッとしたのは、会場に入ってからずっと彼を見ていたことがバレたかと思ったからだ。けれど。
「……結子?」
不思議そうに首をかしげる美穂の表情に、杞憂だったと安堵する。
「え……、ああ、うん。あんまり変わんないね」
会社の同期に招待された結婚式の二次会。
ゲストテーブルに回ってきた新郎新婦と談笑している三嶋 耕平に視線を投げつつうなずくと、美穂が私の顔をじっと見てきた。
「なに……?」
「いや、なんか、結子反応薄いなーって。もしかして、結子、三嶋くんと会うのひさしぶりじゃない? 三嶋くんが会社辞めたあとも連絡取り合ってた?」
「あいつが仕事辞めたすぐの頃はね。でも、もうずっと連絡とってないよ」
これは、ほんとう。耕平の顔を見るのは、二年ぶりくらいだろうか。
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