あかいつきのつぎのよる

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月が見下ろす、街を見下ろせる丘に、 女と男と首が居ました。     「何がそんなに楽しいの?」     いつまでもニヤニヤ笑う男に、 女は聞きました。 返事は返ってきません。   何故なら男は、首を紐で括って、木にブラリ吊られているのですから。 返事は返せません。     「ねぇ、何が楽しいの? なんで笑ってるの?」     さらに問うても返事はありません。     「…なんでだろうねえ?」     女は問う対象を変えて呟きました。 いつまでも返事を返さぬ男から、自分が持っている首に。 しかし首も返事を返しません。   何故なら首は、首から下が無く、冷たくなっているのですから。 返事は返せません。     沈黙が流れ、聞こえるのは、女の赤く染まったドレスからポタリ滴る血の音だけです。     「静寂ほど虚しく寂しいモノはないわ。 ああ、私も静寂の一部に同化してしまえば、寂しくないのかしら?」     風が吹きました。 風に揺すられ、男と木を繋ぐ紐がギシリ音をたてました。   女はそれを同意ととり、   そして、
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