呪いの仮面

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「あっ・・・兄貴・・・」 その場に立ち尽くすミカエル。 入ってきたのは長く黒い髪を持った男。 闇色の瞳、凛々しく整った顔立ち。 長いローブで見えないが体は大きく、背には黒くどこかしら邪悪なオーラを放つ大きな翼をはやしていた。 この男はミカエルの双子の兄で、元はセラフィムのリーダーであり、神を裏切り堕天した魔王ルシファーだ。 「・・・何故きさまがここにいる。」 そっと口を開け喋るルシファー。 低く落ち着いた声が、この男がいかに邪悪で恐ろしいか思い知らしめている。 ミカエルは目付きを変え、叫んだ。 「うるさい!!!あたし達を裏切った者に答えるつもりはねぇ!」 「フッ。お前の事だ、どうせ暇潰しだろう。こんな天使がいるんだ、天界も落ちたもんだな。」 「くぅ・・・」 図星をつかれるミカエル。 「てめぇこそ何しにきた。」 「依頼していた仮面を取りにきただけだ。」 「フン。悪いけどさっきも言った通り、華音は店員とともに奥の部屋だぜ。」 「なら待たせてもらうだけだ。」 そう言うと、ルシファーはミカエルの席の隣に座った。
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