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「ハッ!」
ミカエルはすぐに我に帰ったが、時既に遅し。
籠の中から解放された仮面は勢いよくミカエルの顔にふっついた。
(そうだ!こいつ暴れるから籠の中に入れられてるんだった。くっ・・・何とか剥がさないと。)
ミカエルは仮面を引っ張った。
だが、接着剤が着いているみたいに引っ張っても取れない。
それどころか、顔の皮膚も引っ張られているため、痛みが走る。
「っつう・・・ミカエル!!!」
ルシファーがミカエルに手を貸そうとした瞬間、
『パシィ』
ミカエルの手がルシファーの手を拒否し、はたいた。
「裏切り者の力を借りるつもりはない!くっ・・・!!!」
すると突然、ミカエルは不気味な何かが自分を襲うような感覚になった。
(なっ・・・何だこれ・・・うっ!)
頭に声が響き渡り始める。
『嫌い・・・』
『兄貴なんて死ね!』
『大嫌いだ!』
(この声は・・・)
ミカエルはこの声に聞き覚えがあった。
いやあって当然だった。
この声はミカエル自身の声なのだから。
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