広い空間に二人っきり(水栄)

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静かな屋上。 少し遠くで、生徒達の声がする。 そしてすぐ近くの隣りからは、彼の最近お気に入りの曲が微かに聞こえる。 …なんとなくだけど、落ち着く。 そう感じて、俺はゆっくり目を閉じる。 微かに笑った声がした。 「…眠い?」 いつものヘラッとした笑顔が、俺を見る。 「んー…少し。なんか落ち着くし…。」 「別に寝ても良いよ?」 「…じゃあ、もう少しだけ…。」 彼の肩に寄り掛かると、俺の肩に彼の手が置かれた。 「暖かいなー水谷の手。」 「そう?俺結構体温高いしねー。」 柔らかい風が吹いて、気持ち良い。 少しどころか、熟睡してしまいそうだ…。
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