花あかりの別れと出会い

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それから私たちは まだまだ続く桜の木の下を 堪能した 舞い散るきらめく桜の花びらの 淡いその匂いを深呼吸を するように吸いこんだ 「ねぇ君!」 後ろからの声に 私は振り返る 「はい?」 「これ落としたよ」 背の高い男性がハンカチを 差し出していた 「あ…ありがとうございます」 さっきトイレ前で落としたのかもしれない 「じゃ…」 きびすを返して遠ざかるその背に 頭を下げた

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