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   人は、光があるから目でものを見ることが出来る。  光がないと、世界は真っ暗なままだ。だけど、見えないからといって世界が存在しないわけじゃない。暗闇は暗闇のままそこにあって、見えなくたって、その向こう側にも世界は広がっている。  私は生まれつき闇に潜むものを見ることができた。私は自分が信じるものを他人に押し付けようとは思わないけれど、信じる信じないに関わらず、世界の在りように変わりがないことを幼い頃に知ってしまった。  これは、私が二十歳になった年の出来事を記録したものだ。母の反対を知りつつも、この頃にはすでに拝み屋として生きる自分の将来をはっきりと胸に思い描いていた。  私が見てきた拝み屋というものは、試験に合格して肩書を得る職業なんかじゃない。過去を振り返ることで、ようやく自分が何者であったかを再確認できるのだと、少なくとも私はそう思っている。  父は、娘の私から見ても掛け値なしの偉大な霊能者であり、正真正銘の拝み屋だった。そんな父の背中を見て育った私はだから、余計と、胸を張って拝み屋ですと名乗れる日が本当に来るのかと、頼りない自分と夢の間で揺れ動いていた。  この年、私が出会った事件は、そんな未熟な自分を見つめ直す切っ掛けになったとも言えるし、残酷な時の流れに翻弄された親友との付き合い方を考え直す、良い機会でもあった。  だが、本当のことを言えば、出来ればこれ程辛い事件にはもう二度と遭遇したくないという思いもある。こういった悲劇を幾度となく乗り越えてこそ拝み屋なんだよと ─── もしも誰かに、それこそ父に言われようものなら、私は……

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