ヴィルナ平原、夜の戦場。
ローリス軍の松明が揺れ、ヴェルハルト王の玉座の旗が夜風に翻る。
「クリスは死に、スバルは我が手中だ!」
ヴェルハルトの傲慢な声が響く中、ローリス軍はスバル王都へ突き進む。
だが、丘陵の頂に、スバルの軍勢が現れた。
クリス王子が白馬に跨り、漆黒の鎧に身を包んで正規軍を率いる。
銀色の瞳は月光を宿し、数瞬先の戦場の流れを捉えていた。
「ヴェルハルト! 貴様の野望は私の剣で終わる!」
クリスの声が戦場を切り裂き、ローリス軍に衝撃が走った。
「生きている…!? 偽りだったのか!」
ヴェルハルトの顔が憤怒に歪む。
ガレオンはクリスの側に立ち、黒ずくめの装束で剣を構えた。
暗殺者からスバルの影となった彼は、クリスを守り戦場を駆ける。
「殿下、俺が貴方の背を預かる!」
クリスは頷き、剣を抜いた。
「ガレオン、共にローリスを討つ!」
戦闘が火蓋を切った。
クリスの能力は戦場を支配した。
数瞬先の敵の動き――槍兵の突撃、騎兵の迂回、弓矢の軌道――が見える彼は、完璧な指揮でスバル軍を動かす。
「左翼、盾を上げろ! 右翼、騎兵を突入させよ!」
クリスの命令は的確で、ローリス軍の攻撃を次々と無力化した。
ガレオンはクリスの側で敵の刺客を斬り伏せ、暗殺者の剣技で血路を開く。
「殿下の力…これが若獅子の真髄か!」
ガレオンの刃が月光に輝き、ローリスの兵を葬った。
後方から喊声が上がった。
ファーグ率いる別働隊がローリス軍の背後を襲った。
「ローリスめ、殿下を侮った罪を血で償え!」
獅子の紋章を刻んだ鎧が月光に映え、ファーグの重装騎兵が補給線を寸断。
ローリス軍の後方は混乱に陥り、退路が塞がれた。
同時に、側面からガウェインの別働隊が強襲。
軽装の弓兵と魔法使いを率いるガウェインは、冷静に敵の弱点を突く。
「ヴェルハルトの傲慢はここで終わる!」
矢の雨と雷撃の魔法がローリス軍の脇腹を焼き、ローリス軍は三方向から圧迫された。
クリスは戦場の中央で剣を振るい、兵士を鼓舞した。
「スバルは決して屈しない! ローリスに我々の力を刻め!」
彼の能力は、ヴェルハルトの動きすら予見していた。
ローリス王が馬上で剣を振り上げる瞬間、クリスはすでにその一撃の軌道を見ていた。
「ヴェルハルト、今だ!」
クリスは白馬を駆り、単騎でローリス軍の中央へ突進。
ガレオンがその背を追い、敵兵を斬り開く。
ヴェルハルトはクリスを迎え撃つべく剣を構えた。
「貴様ごときが我を倒せると思うか!」
ローリス王の剣が唸りを上げ、月光を切り裂く。
だが、クリスは数瞬先の未来を見ていた。
ヴェルハルトの剣が空を切り、クリスの刃が王の肩を捉えた。
「貴様の誤算は、私を殺せると信じたことだ!」
クリスの剣が閃き、ヴェルハルトの胸を貫いた。
ローリス王は馬から落ち、血に染まる平原に膝をつく。
「なぜ…我が野望が…」
ヴェルハルトの呻きが夜に消え、ローリス軍の士気は崩壊した。
ファーグの挟撃とガウェインの強襲が追い打ちをかけ、ローリス軍は潰走。
ガレオンはクリスの側で最後の敵を倒し、血に濡れた剣を収めた。
「殿下…終わりました」
クリスはヴェルハルトの亡魂を見下ろし、静かに頷いた。
「スバルの民を守れた。ガレオン、お前の影があってこそだ」
月光が桜を照らし、花びらが戦場の血を洗うように舞った。
スバルの若獅子はヴェルハルトを倒し、偽りの葬送曲を勝利の凱歌に変える。
クリス、ガレオン、ファーグ、ガウェインは丘に立ち、新たな時代を見据えた。
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