ケモミミホームズと天敵

1/33
前へ
/33ページ
次へ

ケモミミホームズと天敵

  「第七は暇そうじゃないか。  満遍なく使え」  ある日、轟はそんなことを捜査一課長に言われた。 「同じ給料払って、奴らだけ遊ばせとくわけにもいかんし」  まあ、第七、結構事件解決してますけどね、と轟は思っていたが、もちろん、口には出さなかった。 「はあ」 と曖昧な返事をして、第七のある物置を覗くと、聡花だけがいた。  ……一番厄介なやつが残ってる。  こちらに背を向けてノートパソコンを打っていた聡花だったが。  何故か、いきなり振り向いた。 「ああ、轟係長。  お疲れ様です~」 と相変わらずな間の抜けた笑顔を向けてくる。  ……何故、今、振り向いた、という恐ろしい問いかけはしないようにした。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

324人が本棚に入れています
本棚に追加