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ケモミミホームズと天敵
「第七は暇そうじゃないか。
満遍なく使え」
ある日、轟はそんなことを捜査一課長に言われた。
「同じ給料払って、奴らだけ遊ばせとくわけにもいかんし」
まあ、第七、結構事件解決してますけどね、と轟は思っていたが、もちろん、口には出さなかった。
「はあ」
と曖昧な返事をして、第七のある物置を覗くと、聡花だけがいた。
……一番厄介なやつが残ってる。
こちらに背を向けてノートパソコンを打っていた聡花だったが。
何故か、いきなり振り向いた。
「ああ、轟係長。
お疲れ様です~」
と相変わらずな間の抜けた笑顔を向けてくる。
……何故、今、振り向いた、という恐ろしい問いかけはしないようにした。
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