―往路での追想―

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そんな克樹には、なかなか彼女ができなかった。 仕事が忙しかったというのが一番の原因ではあるのだが、他人から見ると、克樹の時間をかけた付き合い方が奥手と見られるせいなのかもしれない。 それでも、数人の女性と付き合ったことはあったが、本当の意味で心を通わせた女性はいなかった 。 だが、本人も特にそのことを悲観している節もなかったし、一人でいる自分の時間が好きだった。 (自分にとって、自分の時間を相手のためだけに使いたいと思える人に出会えるものだろうか…)
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