―実家にて―

2/16
前へ
/97ページ
次へ
改札を抜けると、母から頼まれたのだろうか、姉の睦月が迎えに来てくれていた。 「おー姉貴、久しぶり!変わらないねぇ。」 「はいはい、それよりあんた、わざわざ迎えに来てやったんだから、分かるわよねぇ?」 そう言いながら、睦月が手を差しだす。 (やはり、買ってきておいて正解だったな) 克樹はそう思いながら日本酒の入った袋を手渡した。 「どれどれ…東薫か、千葉のお酒だっけ?」 「姉貴、さすがに詳しいねぇ。ラベル見ただけでさ。職場の人に薦めてもらったんだ、旨いと思うよ。」 「サンキュー!、それは楽しみだなっ。」 睦月はあっと言う間にご機嫌である。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加