君との未来

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         -1-  黒板に「桐生まり」と書いた後、彼女は深くお辞儀をした。 「きりゅうまりです。よろしくお願いします」  3年1組、夏休み明けの2学期の初日に彼女は突然転校してきた。可愛らしく端整な顔立ち。彼女は男子生徒の間では間違いなく人気となるだろう。しかしそれは僕とは無縁のことだと思っていた。 「桐生さん。後ろの空いている席に座って」  担任が言うと、彼女は元気に「はい」と言って、窓際の列の一番後ろの席まで移動して着席した。空いていた席。それは僕のとなりの席だった。 「倉沢(くらさわ)君。よろしくね!」 「え?」  僕は彼女と初めて会ったのに。ネームプレートをつけていない高校なので、僕の名前を彼女が分かるはずがなかった。 「どこかで会った?」 「いいえ」  そう言って彼女は微笑んだ。僕は彼女を見つめた。そしてその透き通る瞳に吸い込まれそうになった。教室中がざわめきはじめて、僕は正気に戻った。

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