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表白の会
「じゃあ、はじめるね。わたしからでいい?」
「いいよ、七星からで」
たくさん生い茂るすすきと風が、楽しげに遊戯を行うある公園のベンチに座り、わたしたちはあることをはじめようとしている。
真っ赤に燃える太陽は傾き、あたりはうす暗い。公園のすぐ隣にある住宅からは香ばしい焼魚の匂いがする。ちょうど昨日の夜のグルメ番組で、美味しそうな秋刀魚が特集されていたのを思いだした。
食欲をそそられる匂いも、ほんのり冷えた空気も、もろともを吸い込み──いざ。
「単語のテストでカンニングペーパーを用意するひとは、どうしていなくならないのって思うのに、それができることをいいなって羨んじゃう自分が、ものすごくいやだ、そんなことしちゃだめなのに、できなくていいのに、できない自分がものすごく弱く思えてしまって、いやだ、わざと2問間違えたふりをして8点をとったあのこと、実力でがんばったわたしの3点の、その差が、生きる上手さと下手さを表しているように思えて、すっごく惨めな気持ちになる。……はい、終わりです」
終わりを告げると、静かに聞いてくれていた彼は、「うん。おつかれ」と言ってくれた。

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