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だから普段からあまり使わないようにしているのに、使ってしまったいまのわたしもじゅうぶん、藤くんと同じでおかしくなっているのかもしれない。
「もう1回言わせて。七星が、すき」
「わたしも、藤くんが、すき」
向こうの空に沈みゆく、燃えかすのような小さな灯火が、だんだんと消えていく。
わたしたちの、ゆいいつの時間。たそがれのときが、おわる。
でももう次回からは、このときを選ばなくたっていいのかもしれない。
「七星。俺と、付き合ってください」
「はい、藤くん。よろしくお願いします」
すきなひとが、藤くんが、わたしのことをすきだと言ってくれた。
わたしさえも知らないところを見つけだし、すきでもないところまでもすきだといってくれた。
そして、そんな彼の恋人になった。
明日からはもうすこし、自分に自信が持てる気がする。だからまずは、教室でのあいさつからはじめてみよう。
朝でも昼でも夜でもいつだって、きみといられる1歩を踏みだすために。
《完》

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