第一詩~予感~

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それは『封鬼の祈り』と呼ばれ、封鬼の巫女であるアタシがいないと話にならない。 駄々をこねても仕方がないというのはアタシが一番分かっていた。 封鬼の祈りというこの行事はただの行事ではない。 これが行われることによって世界が平穏を保っていると言っても過言ではないのだ。 なんでも2000年ほど前に大きな戦いがあったらしい。 それは人同士の戦いではなく、人と人ならざる者の異端な戦いだったという…。 その際人ならざる者を地中深くに封印したのが今で言うアタシと同じ力を持っていた封鬼の巫女だったのだ。 以後その力は前代の巫女が死ぬと血筋に関係なく新たな生命に次々と宿り続けたことから、力を持った者は次なる封鬼の巫女として人々に崇められ、代々このギルテカ聖殿がその管理をしてきたという。 つまりアタシは運悪く力に宿られてしまったために次なる封鬼の巫女にならされてしまったというわけだ。 そしてこの封鬼の祈りというのは簡単に言うと巫女がその力を行使して地中深くに封印されている『人ならざる者』を抑えつけるというものなのだ。
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