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だがアタシはすぐに何かにぶつかり尻餅をついてしまった。
『あ、大丈夫ですかイクシア?』
見上げるとそこには見覚えのある顔があった。
order disturb 第二詩~真実~
『いたたた……ごめんなさいローニャ…。今時計台の鐘みたいなのが聞こえたもんだから……。』
そう言うとローニャはくすりと笑った。
『何を言ってるんですかイクシア。時計台は15年以上前に動かなくなってしまっいるんですから…。さっきの鐘の音は恐らく下町の教会のものでしょう。』
そう言うとローニャはもう一度くすりと笑った。
いつもの、嫌味のない、爽やかな笑顔で。
『大丈夫ですか?』
差し伸べられた手に捕まって起き上がる。
『ありがと……さ、入って。』アタシの聴き間違いだったんだろうか……?さっきの鐘の音は確かに聴き慣れた教会のものではなかったと思ったんだけど……うむむ……寝呆けてただけかな……?
『目は覚めましたか…?』
ローニャが優しく聞いてくる。
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