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『うん、それで話って何?大事な話なんでしょ?』
『えぇ……驚かずに聞いてくださいよ。』
ローニャはいつになく真剣な面持ちで話し始めた。
『上官達の話をたまたま聞いてしまったのですが……どうやら昨日のトルエティア研究所の調査で明らかになったことらしいのですが……。』
『いったい……何………?』
トルエティア研究所。世界に支部が数ヶ所存在し、表向きは世界の異変を主に研究している機関だが、特に異形の者"アフェクター"の動きを調査するのをなりわいとしている。
アタシは嫌な予感がした。
『アフェクターが……もう地中すれすれにまで上がってきているそうです。』
『え………?』
アタシは愕然とした。
勝手に目から涙が溢れて止まらなくなった。
『なんでよ……アタシ………毎日一生懸命……』
これ以上はとてもじゃないけどしゃべれそうになかった。
その言葉は、アタシの今までの努力がすべて無意味だったことを意味していたから……。
『イクシア……あなたの努力はけして無意味ではありませんでした……。あなたのおかげでどれだけ多くの人々が救われたか…。』
『でも……意味ないよ………アタシの力が足りなかったばっかりに……!』
次から次に涙が溢れてくる。
目に涙がにじんで目の前がぼやける。
まるで今ある現実を見たくないというアタシの気持ちを示しているかのように…。
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