捧げ唄

2/2
前へ
/6ページ
次へ
~地に平和を~ 緋色の罪 ――嗚呼、どうしてこんな所に生まれたの 赤い花は嘆いた。 周りには蕾のまま無惨に踏み付けられ、掘り返された兄弟達が倒れていた。 ――嗚呼、どうして私は咲いてしまったの 赤い花は孤独だった。 周りを見回しても咲いているのは自分だけ。 ――私が赤を望まなければ 花はかつて白かった。 汚れを知らぬ無垢な色。 花は赤に憧れた。 夕日を見ては焦がれ続けた。 いつの日か 神は願いを聞き入れた。 一人の少女が花を見つけ、駆け寄ってくる。 ――来てはいけない…! 花は叫んだ。 それでも所詮、花の声。 人間になど届かない。 パンッ…と 乾いた銃声が響く。 花の代わりにとでもいうように空は涙を流した。 それでも花は赤いまま。 白い花弁を血に染めて 願いを叶えた赤い花 罪を重ねた紅い花 血に彩られた朱い華 今日もまた 焦がれた緋色に囚われる。 ..。o○o。..。o○o。..。 インテラパクスっていう組曲の中の【花を探す少女】という曲をイメージして書きました。 確かベトナム戦の組曲じゃなかったかな? 組曲の最後の【インテラパクス】を合唱祭で歌ったんですけど【インテラパクス】と【花を探す少女】は曲調が全然違いますね。 一度聞いて見て貰えるとうれしいです。パソコンで検索すれば一発ですから。 インテラパクスとは【地に平和を】という意味らしいです。 平和が一番ですよね。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加