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~地に平和を~
緋色の罪
――嗚呼、どうしてこんな所に生まれたの
赤い花は嘆いた。
周りには蕾のまま無惨に踏み付けられ、掘り返された兄弟達が倒れていた。
――嗚呼、どうして私は咲いてしまったの
赤い花は孤独だった。
周りを見回しても咲いているのは自分だけ。
――私が赤を望まなければ
花はかつて白かった。
汚れを知らぬ無垢な色。
花は赤に憧れた。
夕日を見ては焦がれ続けた。
いつの日か
神は願いを聞き入れた。
一人の少女が花を見つけ、駆け寄ってくる。
――来てはいけない…!
花は叫んだ。
それでも所詮、花の声。
人間になど届かない。
パンッ…と
乾いた銃声が響く。
花の代わりにとでもいうように空は涙を流した。
それでも花は赤いまま。
白い花弁を血に染めて
願いを叶えた赤い花
罪を重ねた紅い花
血に彩られた朱い華
今日もまた
焦がれた緋色に囚われる。
..。o○o。..。o○o。..。
インテラパクスっていう組曲の中の【花を探す少女】という曲をイメージして書きました。
確かベトナム戦の組曲じゃなかったかな?
組曲の最後の【インテラパクス】を合唱祭で歌ったんですけど【インテラパクス】と【花を探す少女】は曲調が全然違いますね。
一度聞いて見て貰えるとうれしいです。パソコンで検索すれば一発ですから。
インテラパクスとは【地に平和を】という意味らしいです。
平和が一番ですよね。
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