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捧げ唄
【こげんたちゃんに捧ぐ】
木陰には並んで座る幼い兄妹。
仲良く話をしている。
少年がパチンッと手を打つ。
「ねぇ、どうして殺すの?」
少女が問う。
「こいつが血を吸うからさ」
少年が答える。
「人間の害になるからね」
そう言って、手に着いた血をティッシュで拭き取る。
「でも、その子痛いよ?」
「でも、かゆいのいやだろ?」
「やだけど…」
少女は知っていた。それが血を吸わないと生きられないことを。
勿論、少年だって知っている。だから殺した。
知っているから殺さない少女。
知っているから殺す少年。
たった一つの、しかしあまりにも大きい違い。
少年が問う。
「いきなりどうした?昨日までは普通だったじゃないか?」
少女が問う。
「じゃあ、犬が噛み付いたら殺す?猫が引っ掻いたら?」
「殺さないよ。どうして?」
「…殺す人もいるんだって。昨日テレビでやってた」
そう言って少女は俯いてしまった。
少年は納得したように苦笑して少女を抱き締める。
「僕はしないよ。絶対に」
「だから、お前もそうはなるなよ、な?」
少女は少年の腕の中でコクンと頷いた。
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こげんたちゃんは虐待をうけて死んでしまった子猫の名前です。
ネット検索すると詳しいことがわかりますのでよかったら検索してみてください。
虐待、なくなるといいですよね。
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