せつな

高岡美菜

｢そっかお前も辛いんだな｣
功が言う｡

｢同情なんかすんな！お前のことも嫌いなんだからな!!｣
強く美菜は言う｡
｢それでも良い｣
優しく功は言う｡
｢えっ!?｣
驚いたように美菜は言う｡
｢高岡が俺の事が嫌いでも････俺は高岡の事嫌いじゃないけど！｣
はっきりと言った功の目には美菜しか映らなかった｡
しかし美菜にはそれが告白に聞こえた｡
｢ふふっ、あんたおもしろい｣その笑顔はいままでの美菜からは考えられないほどとても明るい笑顔だった｡

｢やっと笑ったな｣
功も笑う｡

｢私あなたの事まだ分からないからさ、もう少し時間をちょうだい！｣
美菜はそう言って帰っていった｡
｢????ちょっと待てよ｣
何の事か分からない功は不思議な顔で立っていた｡