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本棚に追加渋々始まった同棲生活。
寝食を共にするくらいの意味しかなかった生活に、初めて色がついたみたいだった。
「……今日から両思いで、本当の意味で同棲するってことだよな? やば……」
自覚すると、きゅんと甘酸っぱい波が胸に押し寄せてくる。
優生は自分よりも能力が高くて気に食わない……などと思っていたが、それが恋の対象となれば?
──飯も美味いし気が利くし、俺に対してちょっと下手だし……もしかして、最高の恋人か!?
姉達がこぞって優生を褒めちぎる理由を、生まれて初めて噛み締めている。
姉達に聞かれる度に、優生は恋人はいないと言っていた。
のらりくらりとかわしているだけかと思ったけれど、その当時から自分のことしか眼中にないのだとしたら?
──あいつ、俺のこと好き過ぎ……。
そこまで繋げるのはさすがに自惚れ過ぎだろうか。
元々の性格の可能性もあるが、いくら邪険に扱っても優生はいつも基城相手に涼しい顔をしていた。
昔のことを思い出していたら、恥ずかしくなって熱が出てきそうだ。
あれほど同棲に乗り気じゃなかった姿を見せた家族に、何て説明するか……。
基城は幸せで煩わしい溜め息を一つ吐いた。

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