7人が本棚に入れています
本棚に追加
「───っ!?」
目を開いて飛び起きる僕。
やけに明るい。さっきまで暗闇にいた─と言うか目を閉じていた─ため、辺りの状況が認識できない。
「ここは……」
しばらくすると目が慣れてきた。辺りをゆっくりと見回す。
僕が今いるのは、紛れもない僕の部屋だった。時計を見れば、時刻は朝の六時。
なんだ、今の。全部…夢?
「変な夢…」
呟いて立ち上がる。
僕が部屋にいると言うことは…昨日のことは夢と言うことになる。
まあ、それは置いておこう。とりあえず顔を洗ってさっぱりしたい。
のらりくらりと洗面所に行き、鏡をのぞく。特に理由はない。習慣と言うやつだ。
が…そこに映っていたのは僕ではなかった。
どういうことかって?
何故か、鏡には美少女と言っても差し支えのない少女が映っていたのだ。
そいつは目を見開いて呆然とこちらを見ている。
「な…っ」
僕の発音した声と同じような口の形をするそいつ。
試しに右手を挙げると、そいつは左手を挙げる。
「なななななな…!」
そのまま頬をつまむと、相手も寸分違わず同じようにする。
「なんっじゃこりゃぁあああ!!」
最初のコメントを投稿しよう!