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んで、二人の様子はと言えば、
「……ふーん…」
「久遠…どうしよう…?」
何やら考え込んでいらっしゃる。
「まぁ…このまま放っておくわけにもいかないわね」
「うん……そうだね…」
何やら悲壮な決意に満ちた目をする刹那。
なんだなんだ、何が起こるんだ?
「私達はね、人間じゃないのよ」と久遠。
「は……?」
何を言ってるんだこいつは。
「私は天使で刹那は悪魔なの。それぞれ『足りないもの』を手に入れるために此処に来たのよ」
唐突に電波な話を始めた久遠。しかも刹那まで加わり、
「私達の名字が同じなのは…その…私達が落ちこぼれだから…」
「双子の姉妹って事にして、二人で力を合わせろって言われたのよ」
誰にだよ。
いや待て、これ以上聞いていると洗脳されるかもしれん。
そう思った僕は、話を打ち切りにかかった。
「待て待て、何でそんな話を僕に聞かせるんだ? って言うか信じられないんだけど」
そりゃそうだ。荒唐無稽にも程がある。
だいたい、こんな話を聞かされていきなり信じる奴なんて頭がどうかしてる奴以外にいないだろ。
「『君達の正体に気づいた人が鍵を握るだろう』って言ってたのよ」
だから誰が。
って言うかこの場合、気づかされたって事になるんじゃないのか?
「天使長様よ。刹那は魔王に聞いたらしいわ」
「…はい。魔王って言うとちょっと語弊がありますけど…」
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