プロローグ

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「冬也!」 後ろを振り返って冬也の顔を凝視。こいつはどうだ…! 「んぁ?」と間の抜けた返事を寄越す冬也。 「転校生…双神久遠のことだけど……っ!?」 …隣からものすごいプレッシャーを感じる。 くっ…化け物か!? が、冬也はそれには気づかず、 「あぁ、綺麗だな」 と呑気にのたまった。 「いや…それはそうだけど」 「ん? スタイルの方か?」 …なんでこいつらはそんなところしか見てないんだ。 「違う、背中だよ」 「背中ぁ?」 眉をひそめる冬也。 すると愛美が、 「そいつ、頭おかしいからまともに話聞いちゃ駄目よ」 「あー…わかった」 いや、わかるなっ! 「二人とも、気づかなかったのか? 双神久遠の背中…」 まだしつこく食い下がる僕。 すると冬也と愛美は、 「何があるか知らないけど、見に行こうぜ」 「…面倒だけど、まぁ良いわ」 とかなんとか言いつつ双神久遠の背後へ移動しはじめた。と思ったら教室から出て行った。 どうやらトイレに行くフリをして背中を見るつもりらしい。 愛美…なんで冬也には素直なんだ? …まぁ良いや。 これで僕の主張が正しかったことが証明されるはずだし。 ほどなくして二人は帰ってきた。の、だが……
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