7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「冗談よ…」
そう言って僕から距離を取る双神久遠。
しかし、僕は他の事に気を取られていた。なんと、女生徒Aの背中にちっこい、色は黒の…と言うか、わかりやすく言えば悪魔っぽい羽がくっついていた。
あれ…? 羽…?
「だけど、これ以上私の周りをうろうろしないでほしいわね」
とかほざく双神久遠。
って言うかそれは無理だろ。同じクラスだし。
ってか何なんだこいつ。明らかに変じゃないか? 転校初日にクラスメイトを脅す転校生なんて聞いたことないぞ。
まぁ、背中に羽をくっつけてる時点で変人なのは明白だが。
と、そこまで考えて思いついた。
背中の羽の事は、この二人に訊くべきだろう。他の人に訊いて、気の毒そうな目で見られたくないし。
「あの…さ。君達に聞きたい事があるんだけど」
「私はないわよ」と双神久遠。
聞きたいのは僕だ。人の話を聞け。
「聞きたい…事?」
おっかなびっくりという様子で訊ねてくる女生徒A。
ああ、うん、君には名前を教えて貰いたい。
「あ、ご、ごめんなさい…。双神刹那(フタガミ セツナ)…です。あの…よろしくお願いします…」
おどおどという感じで名乗る女生徒A─もとい、双神刹那。
双神…と、言うことは…?
最初のコメントを投稿しよう!