プロローグ

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「冗談よ…」 そう言って僕から距離を取る双神久遠。 しかし、僕は他の事に気を取られていた。なんと、女生徒Aの背中にちっこい、色は黒の…と言うか、わかりやすく言えば悪魔っぽい羽がくっついていた。 あれ…? 羽…? 「だけど、これ以上私の周りをうろうろしないでほしいわね」 とかほざく双神久遠。 って言うかそれは無理だろ。同じクラスだし。 ってか何なんだこいつ。明らかに変じゃないか? 転校初日にクラスメイトを脅す転校生なんて聞いたことないぞ。 まぁ、背中に羽をくっつけてる時点で変人なのは明白だが。 と、そこまで考えて思いついた。 背中の羽の事は、この二人に訊くべきだろう。他の人に訊いて、気の毒そうな目で見られたくないし。 「あの…さ。君達に聞きたい事があるんだけど」 「私はないわよ」と双神久遠。 聞きたいのは僕だ。人の話を聞け。 「聞きたい…事?」 おっかなびっくりという様子で訊ねてくる女生徒A。 ああ、うん、君には名前を教えて貰いたい。 「あ、ご、ごめんなさい…。双神刹那(フタガミ セツナ)…です。あの…よろしくお願いします…」 おどおどという感じで名乗る女生徒A─もとい、双神刹那。 双神…と、言うことは…?
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