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“ 哀れな神は…血を欲し底無しの貪欲に陥る…。先の見えなかった…道が悲しみに変わる… ”
三人の戦いに、逃げずに居た検非違使や近衛府は、感化された様に勇気を振り絞り修羅に立ち向かう。
『やぁッ!!』
近衛府が、弓矢を放つ弓矢は修羅の肩に刺さり修羅はぎろりと近衛府を睨み近付く。
それを守る様に、検非違使が刀を構え走り出し修羅に向かっていく。
『悪鬼ッ!覚悟!』
検非違使はぐっと鞘に力を込め修羅の腕に斬り掛かる。
『グァッ!!』
修羅は痛みに叫びを上げる。
『弱キ人間ドモメ…ドウ足掻コウガ…モウ破滅スルダケダ!』
大きな刀を地に刺し怒りに震えながら言う。
『修羅よ…お前が終わりだ…』
晴明がじっと修羅を見据えながら言う。
『ホザケ…小僧…貴様等ガ終ワリダ!』
晴明に指を指す様に不気味に笑いながら言う。
修羅は魂を喰らおうと周りを見ると、雅と雅の父と忠行が魂達を黄泉に導いている所だった。
『余計ナ事ヲシオッテ!!』
修羅は怒りの叫びを放ち周りで逃げ惑う魂を喰らいぎろっと剥き出した眼で三人を睨み付ける。
検非違使が、また修羅に向かっていく。
修羅は魂を喰らい力を少し増した腕(かいな)で、検非違使の首を掴み骨をへし折った。
『グギャッ!』
検非違使はだらりと身体の力を無くし、朽ち果てた。
その骸を捨て置き、また三人を見つめた。
“煩イ…息苦シイ…笛ノ音ジャ…… ”
修羅は雅を睨み付けた。
“ 先が見えなかった道の霧は少しずち消え…漆黒の道が…ゆるり…ゆるりと…見えて来た ”
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