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“ 桜姫は涙を流し…問い掛ける…死して尚神の名を借りて復活した悪鬼に…何に執着するかを… ”
『貴方は…何がしたいのです!死して尚…追い求める物は…何なのです』
清らかで無垢な涙を、ほろり…ほろりと雅は流しながら修羅に問い掛ける。
修羅は、歩みを止めぐぐっと歯を鳴らし雅を見る。
『貴方は…友里様の様々な怨みから生まれた訳ではないでしょう…?本当は…実体があったはず…。死して尚…友里様や哀れなき魂達を使い…何を追い求めているの?』
怖いはずだが…雅は、修羅の事をじっと見つめながら言う。
皆(みな)黙り返り…双方を見つめた。
『ウ…煩イ…黙レ娘!』
修羅は怪訝な表情をし、獣が唸る様な唸り声を上げながら怒鳴る。
修羅の表情や態度が今までとは違う感じがする。
雅に問われた事で、修羅は動揺を見せ始めている。
何故……修羅が友里を使い怨みを晴らそうとしたのか…
何故……修羅は人を憎むのか…
雅に何が見えているのか…周囲の者達は、困惑していた。
『貴方の…実体はいずこにあるのですか?貴方の怨みは…何なのです…?』
雅は無垢な涙を流す。
“ 桜姫 無垢なる涙 頬伝う
不吉な夜に 聖なる光り ”
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